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リツイートでの改変写真掲載が違法との知財高裁判決!2018年05月22日 07時11分18秒

写真A(縦475×横453ピクセル)

写真B(縦226×横453ピクセル)

 「2015年1月27日当ブログ記事」及び「2015年4月19日当ブログ記事」でお知らせした、Ⓒ著作権者名やサイン埋め込み表示などが施されている写真A(「ホワイトとピンク色の鈴蘭」)をツイッター(女性歌手私設オフィシャルサイト)コンテンツに無断使用(名古屋在住の男性発信者に改変盗用)された事件及び、ツイッター・プロフィール写真に無断使用(東京都在住の女性に改変盗用)された事件について、ツイッター社(東京事務所及び米国本社)に対する発信者情報開示請求事件裁判は、一審東京地裁の平成28年9月15日判決では、ツイート発信者サイトらへの発信者情報開示のみ認容され、リツイートでの写真掲載行為については、全て違法否定されていました。
 しかし、平成30年4月25日知財高裁判決では、リツイートによる改変写真B掲載(写真上部3分の1除去及び下部3分の1除去して、中央部分のみ横長にマスクを用いた改変表示)は、リツイート者の行為により、レンダリングデータ(画像を表示するためのHTMLやjpg画像ファイル、CSSなどの、画像表示位置や表示サイズを指定した公開指示データ)が閲覧者端末へ向けて公開されているため、氏名表示権侵害、同一性保持権侵害の著作者人格権侵害に該当する旨、地裁判決を変更して、リツイート発信者に対する違法認定・発信者情報開示認容の判決が下されました。

 即ち、違法に複製アップロード行為したツイート発信者らと異なる別サイトのリツイート発信者らが、通称インラインリンク(画像直リンク)などと称される手法を用いたリツイートによる発信でも、写真Bのように「Ⓒ著作権者名」「サイン」「転載制限表記」などが看取できない状態で公開されているため、氏名表示権侵害や同一性保持権侵害を伴う場合、違法行為となる旨、一審判決を覆して判示されました。

 尚、侵害元サイトでの写真掲載は、上記写真Aを違法に複製アップロードした上で、マスキングによって中央部分を残して上下消除・改変(写真B状態で表示)されており、一見しただけでの判別は出来ません。画像上右クリックにて、掲載画像ファイルを単独表示してみて(画像リンク先・写真Aが表示)、初めてマスキングによるトリミング消除改変が確認できる状況であり、世の中に溢れているリツイートでの写真掲載も、相当数が著作者人格権侵害として法的責任を負う事が指摘された、最新判例となります。



        (ーここから判決ー)
平成30年4月25日判決言渡
平成28年(ネ)第10101号 発信者情報開示請求控訴事件
原審・東京地方裁判所平成27年(ワ)第17928号
口頭弁論終結日 平成30年3月7日

第3当裁判所の判断(以下判例抜粋)
(1)事実関係等(33頁)
 前記前提事実(3)ウ及び(4)(原判決4頁~5頁)記載のとおり,本件リツイート行 為により本件アカウント3~5のタイムラインの URL にリンク先である流通情報2 (2)の URL へのインラインリンクが設定されて,同 URL に係るサーバーから直接ユ ーザーのパソコン等の端末に画像ファイルのデータが送信され,ユーザーのパソコ ン等に本件写真の画像が表示されるものである。もっとも,証拠(甲20,27, 29,32,33,48,50~53)及び弁論の全趣旨によると,ユーザーのパソコン等の端末に,本件写真の画像を表示させるためには,どのような大きさや配置で,いかなるリンク先からの写真を表示させるか等を指定するためのプログラム (HTML プログラム,CSS プログラム,JavaScript プログラム)が送信される必要が あること,本件リツイート行為の結果として,そのようなプログラムが,リンク元 のウェブページに対応するサーバーからユーザーのパソコン等に送信されること,そのことにより,リンク先の画像とは縦横の大きさが異なった画像や一部がトリミ ングされた画像が表示されることがあること,本件アカウント3~5のタイムライ ンにおいて表示されている画像は,流通情報2(2)の画像とは異なるものであるこ と(縦横の大きさが異なるし,トリミングされており,控訴人の氏名も表示されて いない)が認められる。そして,控訴人は,本件写真の画像データのみならず,これらの HTML プログラム,CSS プログラム,JavaScript プログラムのデータ等が結 合して生成される「ブラウザ用レンダリングデータ」あるいは HTML データ等を「 侵害情報」と主張するものである。

(5)著作者人格権侵害について(36頁)
  ア 同一性保持権(著作権法20条1項)侵害
 前記(1)のとおり,本件アカウント3~5のタイムラインにおいて表示されている 画像は,流通情報2(2)の画像とは異なるものである。この表示されている画像は, 表示するに際して,本件リツイート行為の結果として送信された HTML プログラム や CSS プログラム等により,位置や大きさなどが指定されたために,上記のとおり 画像が異なっているものであり,流通情報2(2)の画像データ自体に改変が加えら れているものではない。

 しかし,表示される画像は,思想又は感情を創作的に表現したものであって,文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属するものとして,著作権法2条1項1号にいう著作物ということができるところ,上記のとおり,表示するに際して,HTML プログラムや CSS プログラム等により,位置や大きさなどを指定されたために,本件アカウント3~5のタイムラインにおいて表示されている画像は流通目録3~5のような画像となったものと認められるから,本件リツイート者らによって改変されたもので,同一性保持権が侵害されているということができる。

 この点について,被控訴人らは,仮に改変されたとしても,その改変の主体は, インターネットユーザーであると主張するが,上記のとおり,本件リツイート行為の結果として送信された HTML プログラムや CSS プログラム等により位置や大きさ などが指定されたために,改変されたということができるから,改変の主体は本件 リツイート者らであると評価することができるのであって,インターネットユーザーを改変の主体と評価することはできない(著作権法47条の8は,電子計算機における著作物の利用に伴う複製に関する規定であって,同規定によってこの判断が左右されることはない。)。また,被控訴人らは,本件アカウント3~5のタイム ラインにおいて表示されている画像は,流通情報2(1)の画像と同じ画像であるから, 改変を行ったのは,本件アカウント2の保有者であると主張するが,本件アカウン ト3~5のタイムラインにおいて表示されている画像は,控訴人の著作物である本 件写真と比較して改変されたものであって,上記のとおり本件リツイート者らによって改変されたと評価することができるから,本件リツイート者らによって同一性保持権が侵害されたということができる。さらに,被控訴人らは,著作権法20条2項4号(20条4項との誤記載は、更正決定によって訂正済み)の「やむを得ない」改変に当たると主張するが,本件リツイート行為は,本件 アカウント2において控訴人に無断で本件写真の画像ファイルを含むツイートが行 われたもののリツイート行為であるから,そのような行為に伴う改変が「やむを得ない」改変に当たると認めることはできない。

  イ 氏名表示権(著作権法19条1項)侵害
  本件アカウント3〜5のタイムラインにおいて表示されている画像には,控訴人の氏名は表示されていない。そして,前記(1)のとおり,表示するに際してHTMLプログラムやCSSプログラム等により,位置や大きさなどが指定されたために,本件アカウント3〜5にタイムラインにおいて表示されている画像は流通目録3〜5のような画像となり,控訴人の氏名が表示されなくなったものと認められるから,控訴人は,本件リツイート者らによって,本件リツイート行為により,著作物の公衆への提供又は提示に際し,著作者名を表示する権利を侵害されたということができる。

知的財産高等裁判所第2部
裁判長裁判官 森    義 之
   裁判官 森 岡  礼 子
裁判官永田早苗は,転補のため,署名押印することができない。
           (ーここまで判決ー)



参照リンク:一審・東京地方裁判所判決(裁判所判例データベース)
参照リンク:二審・知的財産高等裁判所判決(裁判所判例データベース5/21公開)

 同様に、ツイッターに違法アップロードされた写真を、他のウエブ・サイトにて、通称インラインリンクと言われる手法にて掲載された米国での事件について、ニューヨーク地方裁判所が違法となる旨の、最新判決が出ています。
参照リンク:ニューヨーク連邦裁判所が埋め込みツイートは著作権侵害となり得ると判断 | TechCrunch Japan
参照リンク:Goldman対Breitbart事件
 EU判決「GS Media事件欧州司法裁判決(2016年9月8日)の紹介: Digital & Law 研究室」「判決文」に続く、違法リンクの新しい判断です。
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